
炭水化物ってどんな栄養素?
①主な働き
炭水化物とは消化・吸収後に人間のエネルギーになる糖質と消化されにくい食物繊維で構成された物質です。厚生労働省の令和5年度「国民健康・栄養調査」によると日本人の1日の摂取エネルギーの約52%が炭水化物になっているんです!!
主な食材として穀類(米等)、芋類、砂糖などが挙げられ、炭水化物1gあたり4kaclのエネルギーを含んでいます。
主な働きは人間のエネルギーになり、生きていくために必要不可欠な栄養素なのです! ですので、不足すると様々な症状が現れます。
- 疲れやすくなる
- 思考力の低下
- 筋肉量が減少し、基礎代謝が低下(太りやすく痩せにくい身体になる)
- イライラする
よく、ダイエットなどで糖質制限を耳にしますがあれは危険な行為になのです、、、、 糖質を大幅に制限すると上記の症状がでて基礎代謝・筋力が低下し痩せにくい身体になる為、やりすぎは逆効果になってしまうので注意が必要です! 糖質を減らす際は、時間をかけて徐々に減らしていくことが理想です!
しかし、摂りすぎにも注意が必要です。 摂取後すぐ使われない糖質は肝臓でグリコーゲンや脂肪として蓄えられ、摂りすぎると肥満の原因にもなります。
かずはの豆知識:倹約遺伝子
日本人は倹約遺伝子という遺伝子を持つ割合が多いことが明らかになっています。 この遺伝子は限られたエネルギーを効率よく使い、余ったエネルギーは体脂肪として蓄えるように身体に組み込まれた遺伝子です。
よって、炭水化物を摂りすぎると体脂肪が増えるので注意が必要です!
②正しい摂り方(1日当たりの摂取カロリー)
1日の総摂取カロリーの50~60%ぐらいが目安の摂取量となります。 総カロリーが2500kcalの場合は炭水化物は約312gになります。(白米800g程度)

糖質の種類と働き
糖質は主に「糖類・少糖類・多糖類」の3種類に分類されるのです!糖の最小単位「単糖」の数によって変わります!
①糖類
単糖が1~2個結合したもので1個のものが単糖類、2個のものが二糖類と言われます。
単糖類には聞きなじみのあるブドウ糖を始め果糖・ガラクトースというものがあります。 糖類の中で1番早く、30分程度で消化・吸収されてエネルギーになります!
朝にエネルギーを摂りたいけど時間がない人は積極的に摂取するとよいでしょう!オススメはバナナ、リンゴなどの果物(果糖)やご飯やパン(ブドウ糖)です! 特にバナナにはカリウムも多く含まれているので浮腫みが気になる方にはとてもオススメです!
二糖類には麦芽糖・ショ糖・乳糖があり単糖類の次に早くエネルギーになります。(主な特徴については下記の図1を参照ください)
②少糖類(オリゴ糖)
単糖が3~9個結合したもので、別名「オリゴ糖」とも言います!皆さんはこちらの名前のほうが聞きなじみがあるかもしれませんね!
ブドウ糖が結合した糖類で人間の消化酵素ではほとんど消化されないので血糖値が上がりにくく、エネルギー源にもなりにくく、甘さが控えめな特徴があります。
主な働きは大腸などで善玉菌などのエサになり腸内環境を整えるというメリットがあります!しかし、甘さが控えめたことから摂りすぎると善玉菌が大幅に増加し、腸の動きが活発になってしまい下痢やお腹の張り、浮腫みの症状が出るので注意が必要しましょう! 摂取量を増やす際は徐々に増やし身体を慣れせましょう。
③多糖類
多数の単糖が結合した「消化性多糖類」と「難消化性多糖類」に分けられ多くは水に溶けず、甘味がないのが特徴になっています!
消化性多糖の代表的なものとしてデンプンやグリコーゲンあり、難消化性多糖類にはセルロースやペクチンなどがあり食物繊維の仲間になります!
消化性多糖類は唾液に含まれるアミラーゼという消化酵素でゆっくり時間をかけて消化されます。 難消化性多糖類は食物繊維の仲間ですので消化されない特徴があります。
2つとも不足するとエネルギー不足による疲労感や集中力低下が起こる可能性があるので注意が必要です!

食物繊維の役割と種類
①食物繊維の役割
食物繊維はエネルギーや身体の構成成分にならない為、あまり重要視していない人もいると思いますが、近年では6番目の栄養素として注目されているのです!!
期待される効果として便秘の解消や糖質の吸収を遅らせたり、善玉菌のエサとなりコレステロール値を下げる働きがあるのです! 他にも食物繊維は消化されない為、腹持ちが良く満足感を与えてくれるので、糖尿病などの生活習慣病の予防にもつながる為、積極的に摂取していきたいですね!
しかし、過剰に摂取すると下痢を引き起こす恐れがあり、その際に体内の水分とミネラルが排出されミネラル欠乏症を招く恐れがあるので注意が必要です!
厚生労働省の「食事摂取基準」によると1日当たり目標摂取量は男性は21g以上、女性は18g以上とされています!食物繊維の多い食材は下記のような食材です!
食材 | 水溶性(g/過食部100g) | 不溶性(g/過食部100g) | 合計(g/過食部100g) |
乾燥きくらげ | 6.3 | 73.1 | 79.5 |
しめじ | 0.5 | 2.5 | 3.0 |
しいたけ | 0.4 | 4.1 | 4.5 |
えのき | 0.4 | 3.5 | 3.9 |
ライ麦パン | 2.0 | 3.6 | 5.6 |
オートミール | 3.2 | 6.2 | 9.4 |
そば | 1.6 | 2.1 | 3.7 |
切り干し大根 | 5.2 | 16.1 | 21.3 |
ごぼう | 2.3 | 3.4 | 5.7 |
アボカド | 1.7 | 3.9 | 5.6 |
②食物繊維の種類
食物繊維は水溶性と不溶性の大きく2つに分類されます。
水溶性食物繊維には血中コレステロール値を低下し、糖の吸収を抑える働きがあり糖尿病などの予防になります。 ただし、摂りすぎは①の通り便が柔らかくなり下痢を招くので摂取量を守りましょう!
不溶性食物繊維には便秘の予防と改善に効果があります。また、水分を吸収し膨らむ性質がある為、腹持ちが良く、少なめの食事でも満足感を与えてくれるのでダイエットにも効果的です!
ただし、摂りすぎると膨らむ性質により便が大きくなり逆に排出されにくくなったり、お腹が張ったりするためこちらも摂取量は守りましょう!
かずはの豆知識:便秘
便秘とは72時間を超えても便通がない状態のことです!
まとめ
- 炭水化物は「糖質+食物繊維」
- 炭水化物は1gあたり4Kcalのエネルギー(穀類、芋類などに多く含まれる)
- 活動エネルギーになる(ブドウ糖は脳の活動を支える)
- 摂りすぎは肥満などの原因、極度の不足は意識障害リスクを高める
- 1日の摂取カロリーの50~60%が目安摂取量
- 糖質は「糖類・少糖類・多糖類」の3つに分類(消化スピード:糖類>少糖類>多糖類)
- 食物繊維はエネルギーにならないが「6番目の栄養素」として期待されている
- 食物繊維は水溶性と不溶性に分類
- 水溶性はコレステロール値を低下、糖の吸収を抑制
- 不溶性は便秘の予防改善、腹持ちがよい
- 食物繊維摂取量は男性は21g以上、女性は18g以上(1日当たり)
最近の記事
参考文献:2024-2025年版【公式】食生活アドバイザー®2級テキスト&問題、きちんとわかる栄養学 一般社団法人FLAネットワーク協会 参照画像:O-DAN(オーダン) 参照図:Xmindにより作成
コメント